blue palette 成城

住宅の外観は、新たに建築する建物のデザインだけでなく、豊かな住環境の境整備を念頭に周辺環境を考慮したい。
今回は成城にある閑静な住宅街という立地を活かし、外観のイメージも成城の風景に溶け込むものにした。

デザインは、どこか古典的でありながらも、クオリティの高さを感じられるものにしたい。
そこで、どことなく「ハイソ」な佇まいとなるよう「邸宅風の隠れ家」をテーマにした。
ちょっと世間知らずで天真爛漫なイマドキお嬢様も、しっかりと安心感できる邸宅風の隠れ家マンションである。

外観デザインのポイントは、高級タイルの使用だ。外壁に１枚１枚風合いが異なる特別な瓦調のタイルを用い、
これを落ち着いた木調タイルと合わせたことで、重厚感のある風合いをつくった。
床も石畳を思わせるアプローチになるように、メンテ性を考慮しコンクリートスタンプを採用した。

ところで、このエリアの若者たちの週末の過ごし方と言えば、気軽にカフェでお茶を飲んだり、
アパレルショップでファッションを楽しむことだ。彼らにとっての最も親しみのある日常だ。
でもどうせなら周りを気にせずに、自分だけのカフェで気の置けない仲間たちとおしゃべりをしたいもの。

また気に入った洋服も、自分のお店のように思う存分に広げて、色々コーディネートしてみたいと思うはず。
しかし現実は、「気兼ね」だらけの毎日で窮屈になる。
そんな夢を兼ねることが出来る「隠れ家」をつくること、それがこのマンションのコンセプトでありミッションだ。
誰もが一度は『こんなお店欲しい、「自分家」にしたい』と思ったことがあるのではないだろうか。
そういった気分になれること、そうした気分に浸りたい人たちが、このマンションの真のターゲットである。

このマンションの戦略として、部屋のタイプを《カフェ》と《アパレル》の２種類のタイプを用意した。
かっこいい《カフェ》タイプと、かわいい《アパレル》タイプだ。

《カフェ》タイプは、ダークウッドの深い色合いをベースにした、コーヒーが似合う大人のデザインである。
カフェで過ごす時間のように、コーヒーの香りを楽しみながら一日中読書やおしゃべりを楽しんでもらいたい。

《アパレルタイプ》は、バターミルクのような色合いの、ホワイト系の木調仕上げ。
大きなクローゼットにたっぷりとしまった洋服を好きなだけ出して、着せ替えごっこを楽しんでもらいたい。